
現在、国土交通省では、2019年5月30日から2019年6月28日の間、貨物自動車運送事業法施行規則及び貨物自動車運送事業輸送安全規則の一部を改正する省令とそれに関係する通達の改正案についてのパブリックコメントを募集しております(案件番号:155190913)。
パブリックコメントは、国の行政機関が政令や省令等を定めようとする際に、事前に、広く一般から意見を募り、その意見を考慮することにより、行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てることを目的とした制度です。
公表されている内容は改正案ではありますが、過去の運輸行政のパブリックコメントで公表された法改正情報は、公表された内容は、大方そのまま実施されることが多いのが現状です。
したがって、今回の一般貨物自動車運送事業の新規許可申請及び変更認可申請の際の要件改正も、大方、原案のまま実施されると考えてもよいでしょう。
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基本的には厳しくなる方向での改正です。
最も影響が大きくなると予想されるのは、運送業許可を新しく取得しようとするときの必要自己資金です。概算(詳しい試算は本記事内でのちほど紹介しています。)ですが、改正後はこれまでの約2.4倍の自己資金が必要になると思われます。
その他にも欠格事由など、これまでより厳しくなる改正ポイントがいくつもありますので、簡単に紹介していきます。
公布・通達発出:2019年7月頃
施行:2019年11月頃
改正が予定されている内容は多々ありますが、2019年11月以降に、新規許可を取得される事業者さんや、事業規模の拡大となる事業計画変更認可申請を予定されている運送事業者さんに影響が大きいと思われる点を抜粋してみました。
この新規許可申請の資金計画に関する変更は、これから新規許可を取得される事業者さんが最も影響を受ける内容と言えるでしょう。
現在1,000万円の資金計画で新規許可を取得できたケースについて、当法人で法改正後の期間で所要資金をシュミレーションしたところ、概ね2.4倍の資金が必要になる結果になりました。
項目 | 計上期間 | 金額(円) |
人件費 | 2か月分 | 5,000,000 |
燃料費 | 2か月分 | 250,000 |
油脂費 | 2か月分 | 10,000 |
修繕費 | 2か月分 | 230,000 |
車両費 | 6か月分 | 500,000 |
施設使用料 | 6か月分 | 2,000,000 |
その他 | - | 2,000,000 |
合計 | ─ | 9,990,000 |
項目 | 計上期間 | 金額(円) |
人件費 | 6か月分 | 15,000,000 |
燃料費 | 6か月分 | 750,000 |
油脂費 | 6か月分 | 30,000 |
修繕費 | 6か月分 | 690,000 |
車両費 | 12か月分 | 1,000,000 |
施設使用料 | 12か月分 | 4,000,000 |
その他 | - | 2,000,000 |
合計 | ─ | 23,470,000 |
※上記の試算はあくまでもモデルケースです。資金計画は許可を取得される事業者様によって異なりますので、これ以上の資金が必要になるケースもございます。
営業所の新設、第二車庫の新設といった事業規模の拡大を行う運送会社さんは、法令遵守をしていないと変更認可を取得できないことになります。
繰り返しになりますが、変更点は上記以外にもあります。
詳細を確認されたい方は、本改正に関するパブリックコメントのページをご確認ください。
また、新規許可、変更認可の基準に関する改正点ではありませんが、一般貨物自動車運送事業を休止したり、廃止しようするときは、現在は事後届出となっていましたが、改正案では、事業休止日・廃止日の30日前までに届け出るという事前届出となる予定です。
今後のスケジュールは、公布・通達発出が2019年7月、施行が2019年11月と予定されいます。
したがって、2019年11月以降に申請した運送業新規許可申請、変更認可申請は、新しいルールに沿って運輸局・運輸支局が審査するものだと思って動かれた方がよいでしょう。
もし、年内に新規許可申請、もしくは変更認可申請を予定されている事業者さんがいらっしゃいましたら、事前準備のスピードを上げていただき、2019年10月31日までに、管轄の運輸支局へ申請書類の提出を完了することをお勧めいたします。
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