
Gマーク認定制度は、2003年7月から始まった制度で、荷主企業や一般消費者の利用者が安全性の高い貨物自動車運送事業者を選びやすくするとともに、貨物自動車運送事業者全体の安全性向上に対する意識を高めるために、貨物自動車運送事業者の安全性を客観的に評価し、認定し、公表する制度です。
ステッカーのデザインから一般的には「Gマーク」と呼ばれていることが多いのですが、正式名称は『貨物自動車運送事業安全性評価事業』という名称の評価制度です。
事業の実施主体は、公益社団法人全日本トラック協会です。
認定は貨物自動車運送事業者の営業所単位で行われ、認定を取得した営業所は『安全性優良事業所』と呼ばれています。
ちなみに認定事業所の数は年々増えてきており、2020年3月時点では、日本全国で25,948事業者が安全性優良事業所としての認定を受けています。
近年では荷主企業の中にも、Gマーク認定を取得していないと取引をしないという事業者が増えてきています。
また、他社よりドライバーの採用活動を有利に進めるために、ドライバーの定着率を高めるためにGマークの取得を検討される運送業者も多くなってきています。
Gマークの認定を受けている営業所は、職場の安全性が一定のレベルで配慮されていると言えるため、安全な職場を求めるドライバー本人そしてドライバーの家族の職場選びに有利に働きます。
その他、Gマークの認定を受けると次のようなメリットがあります。
原則として違反点数は3年間で消去されるのですが、この期間が2年間に短縮されます(違反点数の付与後に新たに違反点数の付与がない場合)。
対面点呼に代えて、国土交通大臣が定める設置型または携帯型のカメラを有する機器による営業所間等での点呼が可能になります。
基準緩和自動車が適切に運行されている場合は、緩和の継続認定において、通常2年間となっている有効期間が最長4年間まで延長されます。
特殊車両の通行許可について、一定の要件を満たす優良事業者の車両の場合、通常2年間となっている許可の有効期限が最長4年間まで延長されます。
一部の損害保険会社では、運送保険・自動車保険などにおいて独自の保険料割引を適用しています。
Gマーク認定申請は一般貨物自動車運送事業または特定貨物自動車運送事業の営業所単位で申請して評価を受けることになります。
全ての営業所が申請できるのではなく、認定申請ができる営業所の資格が定められています。
2020年度のGマークの認定申請ができる営業所は、2020年7月1日の時点で、次の全ての項目を満たす営業所に限定されます。
下の3つは少しわかりにくいかもしれませんが、不正行為をしてしまった事業者が一定期間認定を受けられなくなるものなので、不正な行為をしてペナルティを受けたことのない事業者であれば気にしなくて構いません。
運輸開始から3年未満の営業所であっても、Gマーク認定を目指すのであれば、3年経過したらすぐに申請できるよう、評価項目を確認しておいて、現時点で出来ていない項目があれば、今のうちに対策をして準備を進めておくとよいでしょう。
また、営業所に配置している事業用自動車の数が5両未満である場合は、5台割れの営業所に対する国土交通省の指導は最近厳しくなっていますので、最低台数の5台に増車する準備を進めることをおすすめします。
まるは5台割れを解消してからGマーク認証取得を検討しましょう。
2019年7月1日~2020年10月31日に実施された巡回指導の結果を点数化しての評価となります。
2020年7月1日現在の取組状況が点数化されます。
2020年11月30日から過去3年間に、事業所の事業用自動車が有責の第一当事者となる、自動車事故報告規則(国土交通省令)第2条各号に定める事故の有無が点数化されます。事後がある場合は0点、ない場合は20点が加点されます。
国土交通省からトラック協会へ提供される2020年11月30日以前3年間(2017年12月1日~2020年11月30日)の事故・行政処分(累積点数)の実績を点数化して評価します。
行政処分の累積点数が20点以上の場合は0点、20点未満の場合は、(20点)-(累積点数)で求めた得点を加点されます。
2020年7月1日時点の実績の有無を点数して評価されます。
Gマークの認定評価は減点方式ではなく加点方式で評価されますので、申請予定の営業所で実施している加点項目を積算していき、まずは基準点数をクリアーしているかの確認を行ってください。
「1.安全性に対する法令の遵守状況」の加点項目はどの項目も基本的な内容になっています。
こちらの項目では満点の40点をとりたいところです。
仮に、巡回指導の結果で、運転者の過労運転の防止(3点)・点呼の実施(3点)・運転者に対する指導監督(3点)のそれぞれの項目で『否』の評価になってしまうと、9点の加算ができません。
他の項目で『適』の評価であっても31点分しか加点されないため、基準点数の32点を満たすことができません。Gマーク取得のためには、運行管理の基本を徹底する必要があるでしょう。
「2.事故や違反の状況」はトラック協会にGマーク認定の申請書類を提出した後も評価期間に含まれますので、その期間に重大事故が生じたり行政処分を受けたりしないように、それぞれ注意が必要です。
最後に、「3.安全性に対する取組の積極性」は、日ごろの安全に対する営業所の方針で点数に大きな差が生じるところです。
加点できそうな項目を見つけてるともに、その事実を裏付ける証明書類が準備できるかまで検討をしてください。
未実施の取組を書面上だけでやったことにすることは虚偽申請に該当します。
虚偽申請はモラルの面でももちろんですが、発覚した際のリスクも非常に大きいので絶対に止めてください。
業務 | 料金(税込) |
新規申請 | 330,000円~ |
更新申請 | 330,000円~ |
評価を行う全日本トラック協会へ支払う手数料は不要です。
Gマーク認定申請書の提出は、毎年7月1日~7月14日に行われます。
安全性に対する取組の積極性の評価項目は7月1日以前に実施した取組が評価対象となり、7月2日以降に実施した取組は評価されませんので、Gマーク認証準備期間は6ヶ月程度みておくとよいと思います。
そこから逆算すると、Gマークの取得を目指される運送業者様は、毎年1月から認証取得の準備を進められると、7月の申請書提出直前でドタバタすることなく準備が進められるのではないでしょうか。
運送業の許認可に高い専門性を持つ行政書士法人シグマでは、Gマーク取得のためのコンサルティングサービスを提供中です。Gマークの新規申請や更新申請でお悩みの運送事業者さんはぜひ一度ご相談ください。
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