【案件解説】運送業の車庫移転手続き
このページでは、シグマがご依頼を受けた運送業(一般貨物自動車運送事業)許可に関する手続きについて紹介します。
同じようなお困りごとをお持ちの運送業者様への情報提供に合わせて、シグマをご利用いただく際のご参考になればと思います。
なお、ご紹介する事例は、あくまでも一例ですので、個別の事情によって必ずしも他の事例に当てはまるわけではありませんので、その点をご了承ください。
Contents
ご相談のきっかけ
シグマのホームページをご覧いただいたのがきっかけで、社長よりお電話でご相談をいただきました。
現在認可を取得している車庫よりも立地面・賃料面で条件の良い貸地を見つけたので車庫の移転手続きを進めていたそうです。
これまでの運輸局への申請は、トラックを購入しているディーラーさんにお願いしてきたそうですが、必要書類を渡したのになかなか手続きを進めてもらえず、今回は行政書士に申請の代行をお願いしたいとのこと。
電話では状況をざっくり伺い、詳細を伺うためにご面談の日程調整をいたしました。
手続きの進め方の検討
ご面談に先立ってご準備いただきたい書類をメールでご案内いたしました。
ご準備いただいたのは、
- 移転先の車庫の情報(所在地や見取図)
- 過去に運輸局の提出した申請書類の控え
などです。
過去の申請書類の控えは、現在使用している営業所・休憩睡眠施設・車庫の所在地や面積を正確に確認するためです。
また、営業所に配置している車両の種別と台数を確認するために、直近の増減車届出書類もご準備いただきました。
ご面談の際は、準備していただいた書類を拝見しながら、過去の行政処分や巡回指導の状況や定期報告書の提出状況、車検切れ車両の有無などについて確認しました。
面談を通じて車庫移転の認可を取得する条件を満たしているかを確認し、移転のスケジュール感も共有いたしました。
今回の車庫移転手続きの懸念点は、幅員証明書の発行日と接道の幅でした。
移転先車庫の接道の幅員証明書は、既に社長がご自身で取得したものがありましたが、あと2週間で発行から3か月経過してしまうものでした(提出する幅員証明書は発行日から3か月以内のものが必要です)。
幅員証明書は再取得するという選択肢もありましたが、ご準備いただいた証明書を使用しての申請が可能な段取りを検討しました(接道の幅についての懸念点は後述いたします)。
その後、御見積書で手続き費用をご案内しご承認いただきましたので、「業務依頼申込書」にご署名・ご捺印をいただき、車庫移転手続きに着手しました。
実際の手続きの流れ
1.認可要件の確認
まずより詳細に移転先車庫の立地を調査しました。
- 用途地域は第
一 種 中 高 層 住 居 専 用 地 域、農地ではない - 無蓋車庫のため都市計画法など関係法令に抵触しない
接道の幅員は、幅員証明書の記載と車両制限令から判断する限りでは、今回駐車する車幅2.49mの車両は通行不可と読み取れるものでした。
しかし、道路管理者に確認をしたところ、「車幅2.49mのワイド車であっても通行可能」との見解を得ることができました。
これで接道の幅員も問題ないことが判明したので、移転先車庫としての認可条件は満たしていると判断いたしました。
2.道路幅員証明書の手配
通常の車庫移転手続きでは、認可要件の確認の流れで車庫の接道の道路幅員証明書を道路管理者に申請して取得しますが、今回は、お客様ご自身が取得した道路幅員証明書があったため、シグマでは道路幅員証明書の手配は行いませんでした。
道路管理者によっては法務局で取得する公図が必要であったり、申請から取得まで10日程度の日数が要する場合があるのですが、今回の接道の道路管理者はそのどちらにも該当するため、再取得には手間と時間がかかるケースでしたので、可能な限り申請準備のスピードをはやめて、既存の幅員証明書を使うことを目指しました。
3.現地調査と写真撮影
次に移転先車庫に出向いて現地の確認や、車庫面積の測量を行いました。
また、令和1年11月1日からの車庫移転の申請の際には、移転先車庫の写真の提出が求められるようになったため、運輸支局提出用の写真撮影もあわせて行いました。
運輸支局に提出する写真は、駐車スペースと車庫の出入口付近のものです。
運輸支局の担当官が審査しやすいような写真を撮影するためにはコツがあり、そこも我々のような運送業専門の行政書士の腕の見せ所です。
4.土地使用承諾書の手配
移転先車庫はお客様と取引きのある事業者様の敷地の一部だったため、賃貸借契約を仲介する不動産会社も入っておらず、使用権限についての書面化はこれからでした。
そこで、シグマで使用承諾書を作成し、土地所有者様からご捺印をいただけるようお客様に手配を依頼しました。
ポイントは、駐車場が敷地の一部であり、接道から駐車スペースまでは敷地内を通路を通行することになるということで、通路の使用承諾を含めた承諾書にしなければならないという点でした。
5.申請書類の作成と捺印手配
運送業の車庫移転手続きには次の書類が必要になります。
- 一般貨物自動車運送事業の事業計画変更認可申請
- 委任状
- 事業用自動車の運行管理及び整備管理の体制(様式1-1)
- 土地使用承諾書
- 宣誓書(様式例1)
- 案内図
- 見取図
- 平面図
- 求積図
- 写真
- 道路幅員証明書
- 宣誓書(様式例3)
また、移転先車庫の接道は、道路管理者から車幅2.49mのワイドボディ車両も通行可能との回答を貰っているため、その旨を記載した見解確認書を追加で準備しました。
申請書類への捺印に使用する印鑑は、法人代表印と役員の認印の2種類です。
6.運輸支局へ申請書類の提出
必要書類が全て整い、営業所の所在地を管轄する都道府県にある運輸支局へ申請書類を提出しました。提出部数は正本1通と控え1通の計2通です。
運輸支局の窓口では形式審査といって、必要書類が全てそろっているかの確認が行われます。
提出書類に不足がなければ担当官が申請書の表紙に受付印を押してもらえるので、控えを受領し申請書類の持ち込みは完了です。
7.運輸支局の審査
申請書類提出後は、運輸支局内の審査・決裁が進められます。
申請内容に不明点がありましたら確認の連絡があり、書類に不備があれば補正の連絡がありますが、今回の車庫移転申請は、委任状を提出してシグマがお客様の申請代理人となっているため、確認や補正の連絡はシグマ宛てに入ります。
運輸支局の審査は、滞りなく進んでも、2~3か月の日数を要しています。
運輸支局の事務処理状況によっては、これ以上の日数がかかることが稀にありますが、審査が完了し認可を受けるまでは、移転先の車庫を使うことができませんのでご注意ください。
8.認可書の受取
運輸支局の審査が完了すると、認可書が発行されます。
認可書も申請代理人である行政書士が受領して、お客様に申請書の控えと一緒に引き渡しをして、ご依頼の車庫移転手続きは完了となりました。
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