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運送業許可の譲渡譲受

運送業(一般貨物自動車運送事業)許可は、日本の許認可制度のなかでは珍しく、営業許可だけを譲り渡すことができます。

運送業許可を、ある事業者から別の事業者に移転させる方法としては、この「譲渡譲受(じょうとじょうじゅ)」の他に「合併認可申請」と「分割認可申請」がありますが、これらは会社自体を再編するものなので、営業許可だけを移転させる譲渡譲受とは異なります。

このページでは運送業許可の譲渡譲受について詳しく解説します。

※このページの記述は、特に断りのない限り関東運輸局管内での取り扱いを基準に書かれています。

運送業許可の譲渡譲受

運送業許可:譲渡譲受と新規許可の違い

まずは、新たに運送業許可をとって運送業を始めたい事業者にとって、運送業許可を譲り受ける場合と、新規に許可を取得する場合とでどのような違いがあるのかということから見てみましょう。

満たさなければいけない要件

譲渡譲受も新規許可も基本的に要件は同じです。

役員法令試験にも合格する必要があります。

新規許可の要件についてはこちらの記事をご参照ください。

ただ、譲渡譲受の場合には、営業所、車庫、車両などを譲り受けることができれば、許可要件に適合したものであればそのまま使えますので、その点はクリアしやすいのではないでしょうか。

特に、東京23区内・川崎・横浜で一般貨物自動車運送事業を起業する場合は、車庫と営業所の物件選定が大きなハードルになります。営業所・車庫を引き続き使用できるのであれば、物件選定の悩みは解消できるでしょう。

審査期間の違い

新規許可申請の場合、申請書が受理されてから運輸局の審査が完了するまで5か月程度の期間を要します。

一方、譲渡譲受の認可申請の場合、新規許可申請と比較すると、実際の運用上は2ヶ月くらい審査期間が短く、3か月程度が運輸局の標準的な審査期間となります。

ただ、譲渡譲受の場合には、その前提として、運送業許可を譲り渡す事業者との交渉期間がありますので、実質的にはそれほど変わらなかったり、譲渡譲受の方が長期間かかるケースも多いです。

その他の違い

  • 新規許可の場合には登録免許税12万円が必要だが、譲渡譲受では不要
  • 譲渡譲受では、許可番号や事業者番号は引き継ぐ
  • 譲渡譲受では、行政処分も引き継いでしまう
  • 譲渡譲受では、運輸開始前の報告や運輸開始届出は不要だが、譲渡しおよび譲受けの終了届出を提出
  • 譲渡譲受では、譲渡人の許認可取得状況を正確に把握しないと手続きが進められない

譲渡譲受認可と合併・分割認可申請の違い

運送業を経営している法人を吸収合併する場合や、運送業を経営している法人の運送事業を吸収分割または新設分割する場合、譲渡譲受の場合と同様に認可を取得しなければなりません。

合併・会社分割は、会社法上の法律行為のため、会社法に則した様々な手続きを踏む必要があります。

そのため譲渡譲受よりも手続きが複雑になり、税理士・司法書士・弁護士といった専門家の力を借りなければ手続きを進めることが難しいです。

また、譲渡譲受では負債や契約関係は自動的には引継ぎませんが、合併・分割では負債・契約関係を引継ぐことになります。

さらに、合併・分割では、法務局への登記申請手続きが必要になります。

譲渡譲受が適しているケース

これまで紹介したように、運送業許可を譲り受けるといっても、実際には新規に許可を取る場合と比べてそれほど簡単というわけではなく、むしろ難しい部分もあるくらいなので、新規に許可を取ってしまうほうが良いというケースも多いです。

では、どのようなケースであれば譲渡譲受に適しているのでしょうか。いくつか譲渡譲受に適していることが多いケースを紹介します。

個人事業の法人成り

個人事業として運送業許可を取得していて、そこから会社を作るような、いわゆる法人成りの場合には、物件や車両なども含めて丸ごとの移転になりますので、個人を廃業して会社で新しく許可を取得するよりは、譲渡譲受の方が適していると言えます。

車両などを安価に譲り受けられる

運送業の開業資金の中でも大きな割合を占めるのが、車両や物件の取得費用です。

ここを安く譲り受けられるのであれば、開業時の資金が安く抑えられ、資金要件もクリアしやすくなりますので、譲渡譲受が適しているかもしれません。

事業ごと譲り受けられる

後継者不足で運送事業から撤退を考えられている経営者が増えてきています。

このような場合、荷主なども含めて事業や設備を丸ごと譲り受けられるような場合であれば、譲渡譲受が適しているケースもあります。

昨今の深刻なドライバー不足の状況では、ドライバーさんとの雇用関係も引継げるのならば、新しく許可を取得して採用活動をするよりもドライバーを確保しやすいでしょう。

ただし、行政処分や走らない車両、問題ドライバーといった負の資産を引き継いでしまうケースもありますので、引き継ぎに際してトラブルが生じないよう十分な注意が必要です。

事業承継

運送業を個人事業主で経営している場合、その個人事業主の方が高齢化などでリタイアする際、従業員の番頭さんやドライバーといった個人の方に引き継ぎたいときは、譲渡譲受の方法で引き継ぐことができます。

運送業許可:譲渡譲受の注意点

これまで紹介してきたような点も含めて、譲渡譲受の際にはいくつか注意すべき点があります。

対象の特定

まずは、譲渡譲受の対象の特定です。

運送業許可のみなのか、それとも、営業所・休憩睡眠施設・車庫・車両などを含むのかという点に加えて、譲渡人の行政処分の有無や、行政処分を受けている場合はその内容の精査も必要になります。

営業所や車庫の使用権限を譲渡譲受の対象にするときに、譲渡人がそれらの物件を借り受けている場合は、賃借権の引継ぎについての確認を物件所有者と行う必要もあります。

また、車両を引継ぐときに、残債が残っている車両やリース車両に関しても、販売会社・リース会社との引継ぎ交渉を行う必要があります。

このような営業所・車庫の賃貸関係の引継ぎの場合は、物件所有者が譲受人への賃借権を認めない場合や、賃料の値上げを条件とされることがありますし、車両の場合は、残債の一括返済を販売会社・リース会社から求められることもあります。

特に残債が残っている場合は、最悪、一括返済を行わないと車両を引き継げない場合がありますので、引継ぎ交渉は、譲渡譲受の交渉スタート初期に確認した方がよいでしょう。

資金

また、譲渡譲受の場合であっても、譲受人の資金計画に沿ったまとまった資金が必要になります。

譲渡譲受の対象となる運送業の事業規模が大きい場合は、資金計画も膨れ上がるため、所要資金も高額になります。

資金は原則、譲受人名義の銀行口座にある預貯金の額です。

自己資金では足りない場合は、金融機関からの借り入れなどの資金調達を行う必要があるでしょう。

金融機関から資金調達をする場合は、融資の実行が、譲渡譲受の認可取得前に行って頂けるかがポイントになります。融資の実行が譲渡譲受の認可取得後の場合は、金融機関からの借入金は、譲渡譲受の資金計画に組み入れることができないからです。

事業計画

譲渡譲受認可の申請書には、譲渡人の最新の事業計画を記載する必要があります。

正確な事業計画を把握するためには、譲渡人が過去に運輸局に提出した書類を確認する必要がありますので、過去に運輸局に提出した書類が集まらないときは、事業者台帳を情報開示請求手続きをするなどして、情報を集めなければなりません。

事業者台帳の情報開示請求手続きですが、1ヶ月程度の期間を要することもありますので、過去の申請書類の控えが確認できない場合は、すぐに情報開示請求手続きを進められるのがよいと思います。

運送業許可:譲渡譲受の手続き

一般貨物自動車運送事業許可の譲渡譲受認可申請をする場合には、ほぼ新規許可のときと同じような流れになります。

譲り受け側の会社などがすでにあることを前提とした場合の流れは以下のとおりです。

(※)がついているものについては不要なこともあります。

  1. 譲渡譲受の条件などの交渉
  2. 営業所、休憩所、車庫(駐車場)に使用する物件探し(※)
  3. 運行管理者、整備管理者(候補)の確保(※)
  4. 資金の準備
  5. 運送業譲渡譲受認可申請に必要な書類の収集と作成
  6. 運輸支局への運送業譲渡譲受許可申請書の提出
  7. 法令試験の受験、合格
  8. 運輸局の審査
  9. 運送業許可の譲渡譲受認可
  10. 運行管理者および整備管理者の選任届の提出
  11. 車両の登録
  12. 運賃料金設定届出書の提出
  13. 運輸開始
  14. 譲渡譲受終了届出書の提出

おわりに

運送業許可の譲渡譲受も新規許可取得も、「運送業許可を取得して運送業を始めたい」というゴールは同じです。

新たに許可を取得するのは、他社の許可を譲ってもらうのかの違いです。

許可を取得して事業をはじめて事業を行っていくにあたって、どちらが適しているのかということを総合的に検討して、どの手続きを選択するかを決定しましょう。

とは言ってもなかなか判断に迷われる方も多く、そのような方からのご相談を受けることも多いです。

当初は知人の運送会社の許可を譲りうけることを前提で交渉を進めていただ、条件がまとまらずに新規許可申請を行うことになった事案も過去にありました。

運送業許可の譲渡譲受申請でお困りの方がおられましたら、ぜひ一度シグマにご相談ください。

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