運送会社設立の注意点
このたび独立して運送会社を設立しようと思っているのですが、何か注意する点はありますか?
事業目的や契約の名義などでいくつか注意する点があります。
なんだか難しそうな話ですね。
それほど難しい話ではありませんので、詳しく見ていきましょう。
運送会社を作って運送業(一般貨物自動車運送事業)を行う場合にはいくつか注意しなければならない点があります。
この記事では株式会社もしくは合同会社を設立して運送業許可を取得することを前提に注意点を紹介します。
事業目的に注意
1つ目の注意点は会社の定款に記載する事業目的です。
単に事業目的に「運送業」と書いただけだと運送業の許可は取れません。運送会社を作る場合には定款の事業目的に「一般貨物自動車運送事業」と記載しておきましょう。
単に「貨物自動車運送事業」と記載して一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業、貨物軽自動車運送事業という3つの事業を行えるようにすると言う方法もありますが、より明確に事業目的を表現するという観点から「一般貨物自動車運送事業」と記載することをお勧めしています。
また、運送業のほかにも許認可が必要な事業を行う予定がある場合、例えば、倉庫業や貨物利用運送事業などは、それらの事業についても正しい事業目的を記載しておかなければなりません。
契約は会社名義で
次に注意が必要なのが各種契約等の名義です。
運送業許可の要件の中には営業所や車庫といった不動産の使用権原に関するものや車両に関するものがありますが、これらの要件を満たしていることを証明するために、賃貸借契約書や車両の売買契約書、リース契約書などを提出することになります。
これらの名義はすべて会社名義になっていなければならず、例えば社長個人名義の契約書などでは認められません。
会社ができる前に社長の個人名義で賃貸借契約等を結んだりしてしまった場合、許可を取得する際に契約の名義を社長個人から会社に変更する必要があります。
また自己資金を証明する銀行預金の口座名義も、個人ではなく会社名義である必要がありますので、銀行口座を開設する時間も、あらかじめスケジュールに組み込んでおきましょう。
車両の所有者もしくは使用者に関しては、申請の時点で会社名義になっていなくても構いませんが、その後に名義を変更する必要があります。
各要件の詳細は以下の記事をご参照ください。
株式会社を設立して運送業許可を取得するメリット
一般論にはなってしまいますが会社を設立して運送業許可を取得するメリットの最も大きなものは信用力です。
信用力と言うと銀行等の融資を想像する方がいらっしゃるかもしれませんが、実はこの点に関してはそれほど個人事業も法人も大きくは変わりません。
しかし取引先との関係や採用活動などにおいてはやはり会社であるということの信用力が有利に働くことが多いです。
また、個人事業だと許可が属人的になってしまい、個人が亡くなってしまった場合は相続の認可や許可の譲渡譲受認可といった営業許可の承継手続きを踏む必要が出てきます。会社の場合には代表者が変わっても会社自体が運送業許可を取得しているため影響はありませんし、運送業許可付きで会社そのものを売却するなどの方法をとることもできます。
その他にも会社にすることで税務上有利になる可能性もありますので、この点について気になる方は税理士さんに相談してみてはいかがでしょうか。
運送会社設立から許可取得まで
運送会社を設立して運送業許可を取得するときの流れは以下のようになります。
- 運送業許可取得の要件に関する調査
- 株式会社の設立
- 営業所や車庫などについての契約の締結、銀行口座の開設など
- 運送業許可取得
すべてのケースでこのような流れになるとは限りませんが、多くの場合にはこのような流れで行います。
一般貨物の許可申請手続きでは、法人設立前での許可申請手続きを行えるようになっています。とはいえ、営業所・車庫・車両の調達や、従業員の確保、そして法人口座の開設といった観点からは、会社設立手続きが簡略化された昨今では、一般貨物の許可申請前に、会社設立手続きを完了させた方が良いのではと考えております。
運送業許可の取得に関しては、当サイトの許可取得ガイドをご参照ください。
運送会社設立は計画的に
運送会社を設立する場合には、運送業許可の取得を見据えて、会社の設立方法、設立や運送業許可申請のスケジュールなど、先のことをしっかりと考えて計画的にする必要があります。
行政書士法人シグマでは、運送会社の設立手続き(法務局への登記申請手続きは提携司法書士が行います。)から運送業(一般貨物自動車運送事業)許可取得まで、しっかりとサポートしています。
独立や新規事業の立ち上げなどで、運送会社を設立して運送業許可を取得したいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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