
2019年11月1日から、一般貨物自動車運送事業の健全な発達に向けて、許可・認可のルールが変更されました。
このページではこれからトラック運送業に参入される事業者さん、既にトラック運送業を経営されている事業者さんにとって、影響の大きい項目を中心に解説いたします。
なお、このページで紹介している運送業の許可・認可申請手続きに関する新ルールは、2019年11月1日の申請受付分から適用されています。
申請書類が10月31日までに受理された許可申請・認可申請は、旧ルールで審査が行われています。
Contents
11/1以降の申請 | 10/31までの申請 | |
新規許可 | 3~5か月 | 3~4か月 |
事業計画の変更認可 | 1~3か月 | 1~2か月 |
譲渡譲受の認可 | 1~3か月 | 1~2か月 |
合併の認可 | 1~3か月 | 1~2か月 |
分割の認可 | 1~3か月 | 1~2か月 |
相続の認可 | 1~3か月 | 1~2か月 |
この表に記載された期間は、申請書類が運輸支局で受付されてから審査が完了するまでの標準的な期間です。
補正の期間や、役員法令試験が再試験になった場合の期間は含まれていません。
関東運輸局の場合、新規許可申請は審査が順調に進んだ場合は4か月程度の期間を要していましたが、今後は5か月程度の期間がかかると思います。
2年から5年に欠格期間が延長されました。
第1号 許可申請者が、1年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行が終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者であるとき
第2号 許可申請者が、一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から5年を経過しない者であるとき
許可取り消し処分を受けた事業者、許可取り消し処分を受ける予定だった事業者は、一定の期間、許可が取得できなくなりました。
第3号 許可申請者と密接な関係を有する者(親会社、グループ会社、子会社等)が、一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から5年を経過しない者であるとき
第4号、第5号、第6号 許可取消し行政処分逃れのために自主廃業の届出日から5年を経過しない者であるとき
新規許可申請時の、事業開始に要する資金(所要資金)の計上額が変更されました。
車両費、建物費、土地費:1年分計上(従前は6か月分)
人件費、燃料代、修繕費などの運転資金:6か月分(従前は2か月分)
(例)営業所を増やす、車庫を拡張する
下記1~6の条件を満たしていない場合は、申請をしても認可を受けることができません。
これまでは事前届出制でしたが、下記の1~4のいずれかに該当する場合は、その増車手続きは届出ではなく認可を受ける必要があります。
※増車する車両数とは、今回変更する数と3か月以内に増加した数を合算した数をいいます(但し、その合計した数が10両以下である場合は除く)。
(例)
申請後の配置車両数(a) | 申請日から起算して3か月前時点の配置車両数(b) | 差
(C)=(a)-(b) |
割合
(C)÷(b)×100 |
方法 | 備忘 | |
例1 | 12 | 10 | 2 | 30% | 届出 | 割合30%未満かつ差が10両以下のため |
例2 | 15 | 10 | 5 | 50% | 届出 | 30%以上だが差が10両以下のため |
例3 | 48 | 37 | 11 | 29.7% | 届出 | 11両以上だが割合が30%未満のため |
例4 | 47 | 36 | 11 | 30.5% | 認可 | 30%以上かつ11両以上のため |
例5 | 20 | 10 | 10 | 100% | 届出 | 30%以上だが差が10両以下のため |
例6 | 15 | 5 | 10 | 200% | 届出 | 30%以上だが差が10両以下のため |
例7 | 16 | 5 | 11 | 220% | 認可 | 30%以上かつ11両以上のため |
最低車両数である5両を下回る変更をする場合は、届出ではなく『認可』を受ける必要があります。
とはいえ、減車により最低車両数を下回る場合は、申請書類を提出しても原則として認可されません。
最低車両数を下回る減車が認められる場合は、例えば、「災害・事故・故障等により車両が使用不能となり、これに代わる他の車両が既に発注され納車待ちの場合」といった限定的なものになると思われます。
「仕事が少ないので5両は不要だから」「ドライバーが5名いないから」といった経営上の理由であったり、車両が使用不能だけど代りの車両の納車日が未定といった場合は、最低車両数を下回る減車は認可されないでしょう。
また、現時点で最低車両数を下回っている場合で、増車しても最低車両数を下回る場合(例えば、現在3両で運行しているけど、1台増車して4両にする場合)も認可されません。最低車両数を下回っている場合は、まずは最低車両数になる増車を行う必要があるでしょう。
譲受会社側が調達する事業開始に要する資金(所要資金)の計上額が変更されました(新規許可と同様に)。
車両費、建物費、土地費:1年分計上(従前は6か月分)
人件費、燃料代、修繕費などの運転資金:6か月分(従前は2か月分)
合併・分割後に存続する事業者、相続人が調達する事業開始に要する資金(所要資金)の計上額が変更されました(新規許可と同様に)。
車両費、建物費、土地費:1年分計上(従前は6か月分)
人件費、燃料代、修繕費などの運転資金:6か月分(従前は2か月分)
上記以外にも細かい内容の変更が生じております。
具体的には、営業所・休憩睡眠施設・車庫を借り受ける場合は、契約期間は2年以上であることが求められるようになりました。
また、事業用自動車の自動車保険の補償内容にも変更が生じ、改正前は、対物賠償額に関する補償内容の条件は定められておりませんでしたが、改正後は、対物賠償額が一事故あたり200万円以上の自動車保険に加入することが求められるようになりました。
以上のようなルール改正が2019年11月1日より行われましたが、このルール改正に伴い、新規許可や変更認可・変更届出時に提出する申請様式も変更になっております。新しい申請様式は地方運輸局自動車交通部貨物課のホームページは、運輸支局輸送部門のホームページからダウンロードすることができます。
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