運送業(一般貨物自動車運送事業)許可サポート 東京都・神奈川県を中心に一都六県のお客様に対応いたします。

運送業許可書受領から運輸開始まで

やっと許可が出たと運輸支局から連絡が入りました。これでいよいよ営業開始でしょうか。

社長待ってください。ここからもけっこう大変なんです。

運送業開始までの道のりは長いですね・・・。

そうは言っても許可は出たわけですからひと安心ですね。

それでは営業開始までにどんな手続きがあるか確認してみましょう。


トラック運送業(一般貨物自動車運送事業)の経営許可申請は、運送業担当役員が法令試験に合格する必要があったり、運輸局から書類の提出や修正を求められたりと、運輸支局の窓口で申請書が受理されてから審査結果がわかるまで多くの日数がかかります

関東運輸局管内の一般貨物自動車運送事業の経営許可申請は、役員法令試験を一発合格した場合であっても、許可申請書が受理されてから許可処分が出るまで、最短でも5か月前後の期間を要するものだと考えていただければと思います。

役員法令試験を再受験したり、補正対応に日数を要した場合は、5か月以上の期間を要することもあります。

待った分、運輸支局から「先日申請された一般貨物自動車運送事業の許可申請は、○月×日付で許可となりました」という電話連絡が入った時は、喜びもひとしおなのではないでしょうか。

運送業の許可を取得すると、運輸局から許可番号や会社名・代表者名が記載された許可書が発行されますが、この許可書とあわせて緑ナンバーが交付され運送事業を開始できるわけ、ではありません

実は、許可書にはいくつかの「条件」が書かれています。例えば、シグマで運送業の経営許可申請をお手伝いした運送会社の許可書には次のような条件が記載されていました。

  1. 許可を受けた日から1年以内に運輸を開始しなければならない。
  2. 運行管理者及び整備管理者の選任届を運輸開始前に行わなければならない。
  3. 運輸開始前に社会保険加入義務者が健康保険、厚生年金保険、雇用保険及び労災保険に加入しなければならない。
  4. 貨物自動車運送事業報告規則第3条の規定に基づき、運輸開始前に確認報告を行わなければならない。
  5. 事業用自動車は、自動車賠償責任保険又は自動車損害賠償責任共済の上積みである一般自動車損害保険(任意保険)等に加入しなければならない。
  6. 運輸開始前は、運輸局長の承認がなければ事業計画又は事業施設概要書の記載内容を変更してはならない。

許可取得と同時にすぐに緑ナンバーを車両に装着して走らせることができるとお考えの事業者さんもいらっしゃるのですが、実際には許可書に記載された条件をすべて満たした後でないと、緑ナンバーの車両で運送業をすることができません

許可申請から営業開始までは、こちらの記事でも紹介していますが、この記事では許可が出てから営業開始までにスポットを当てて解説します。

登録免許税の納付

許可書を受領したら、まずはじめに登録免許税(12万円)を納付し、登録免許税領収書届出書(返送分)を運輸局に提出します。

支払は、許可書と一緒に交付される登録免許税納付通知書の指示に従って銀行、郵便局、税務署のいずれかで納付します。

通知書に納付期限が記載されていますので、期限を過ぎないよう注意しましょう。

また、金融機関などの窓口で納付したら、登録免許税領収証書届出書を忘れずに運輸局へ返信しましょう。

この返信を失念していると、運輸局から確認の連絡が入ります。

運行管理者・整備管理者の選任

次に、運行管理者・整備管理者を選任し、その選任届出書を提出します。

運行管理者・整備管理者選任届出書の提出先は、許可書を受領した運輸支局の輸送部門ではなく、整備保安部門です。

東京運輸支局の場合、輸送部門は3階にあり、整備保安部門は4階にあります。

必要事項を記載した選任届出書と添付書類を窓口に提出します。

添付書類は、次のような書類です。

運行管理者

  • 運行管理者資格者証の写し

整備管理者(整備士有資格者の場合)

  • 整備士の合格証書の写し又は整備士手帳の写し
  • 同意書(整備管理者選任届出書に添付する書面)

整備管理者(整備士の資格なしの場合)

  • 整備管理者選任前研修修了証明書の写し
  • 同意書(整備管理者選任届出書に添付する書面)
  • 実務経験証明書(2年以上の実務を証明するもの)

運輸開始前の確認報告

運行管理者・整備管理者の選任届出書の提出が完了したら、次は運輸開始前の確認報告を行います。

この確認報告は、許可書を受領した営業所を管轄する輸送部門が窓口になります。

確認報告は、A4用紙2枚の様式となっていますが、記載すべき情報が多いため、許可書受領から運輸開始前の手続きの中では、最も手間のかかる手続きになります。

また、この確認報告が受理されないと、緑ナンバーを取得するための事業用自動車等連絡書を発行してもらえないため、報告手続きではありますが、大変重要な手続きと言えるでしょう。

運輸開始前の確認報告を行うためには次の内容を確定させなければなりません。

  • 運行管理者、整備管理者、運転者
  • 運送事業に使用する車両

そして、選任した運転者に加えて運行管理者、整備管理者であって労働災害保険、雇用保険、健康保険・厚生年金保険への加入義務者の場合は、確認報告の前に加入手続きを行う必要があります

なぜならば、確認報告の添付書類として、社会保険に加入したことを証明する書類の提出が求められているからです。

また、運送事業に使用する車両は、車台番号で車両を特定する必要があります。

自社名義の車両や中古の場合は車検証、新車の場合は諸元表や完了検査証が必要になります。

事業用ナンバーの取得

運輸開始前の報告が完了すると、いよいよ、事業用ナンバー(緑ナンバー)を取得する準備に入ります。

事業用ナンバーを取得する際には事業用自動車等連絡書という書類が必要になります。

連絡書は、運輸支局の輸送部門にて取得することができます。登録窓口では連絡書は取得できませんのでご注意ください。

通常、この連絡書は、前述の運輸開始前の確認報告と同時に取得することが多いです。

連絡書は、ナンバー取得の際の申請車両が運送業で使用する車両であることを証明する大事な書類です。なお、運送業に使用する車両は連絡書で車庫の確保を証明するため、警察署で取得する車庫証明は不要になります。

連絡書を取得する際は、輸送部門の窓口に以下の書類を揃えて提出します。

  • 事業用自動車等連絡書(2通)
  • 手数料納付書(1通)
  • 車検証の写し / 諸元表や完了検査証の写し

運輸支局の輸送部門より経由印の押された連絡書を取得したら、営業所を管轄する登録窓口にて登録申請手続きを行います。

登録申請の際には、連絡書の他にも必要書類が必要になるほか、封印を取り付けるために車両の持込も必要になります。

運輸開始ための社内準備

無事に緑ナンバーの取得が完了したら、いよいよ運送事業開始に向けての最終準備に入ります。

選任運転者に適性診断を受診させたり、初任運転者教育を実施します。

また、健康診断を未受診の場合は、健康診断を受けてもらいましょう。

一般自動車損害保険(任意保険)の加入や、ペイントやカッティングシートなどで運送事業者の表示、デジタコ・ドラレコの配備といった運行に必要な車両の準備を行い、車庫には日常点検に必要な工具の配備を行います。

また、運送約款や運賃および料金表(個人との契約がある場合)の掲示、運転者台帳、点呼記録簿、運転日報、日常点検表などの法定帳簿類や運行管理規程、整備管理規程等の規定類の準備、アルコールチェッカーや運行管理システムの配備や、ガソリンカード、ETCカードの準備といった運行に必要な営業所内の準備を行います。

なお、この運輸開始の社内準備の中には、緑ナンバー取得前でも取り掛かることができるものもあります。社内準備を計画的に進めておくと、緑ナンバー取得から運送事業開始までの日数を短縮できると思います。

特に、選任運転者の適正診断の受診や教育は、新規許可事業者様の場合は漏れやすい項目ですので、運転者を採用したら、速やかに行った方がよいでしょう。

運輸開始

上記4つの手続き・社内準備が完了するといよいよ運送事業のスタートです。

運輸開始となったら、速やかに運輸開始届出書と運賃料金設定届出書を許可書を受領した運輸支局の輸送部門に提出しましょう。

なお、運輸開始届出書には、下記の書類を添付します。

  • 車検証の写し(緑ナンバー取得後のもの)
  • 任意保険の保険証券

また、運賃料金設定届出書には、下記の書類を添付します。

  • 運賃料金表
  • その運賃料金の適用方

昨今は、運賃料金を、国土交通省が告示した「標準的な運賃」を適用される事業者さんも増えてきております。

巡回指導

新規許可事業者に対しては、適正化実施機関による巡回指導が実施されます。概ね運輸開始の届出後、1か月~3か月以内に実施されます。

実施日が決まると、実施日の3~4週間前までに、適正化実施機関より実施日の案内文書が郵便で営業所宛てに届きます。

郵便が届きましたら、放置せずにすぐに開封して、実施日時と準備書面を必ず確認してください。郵便が届いたけど開封しないまま放置しておいて、実施日直前にドタバタされる事業者さんもお見受けします。

巡回指導当日は、指導員(通常2名)が営業所のお越しになって、運送事業を法令に則って適性に運営されているかの確認を行います。所要時間は、1時間~2時間程度を予定しておいてください。

巡回指導の結果は、A・B・C・D・Eの5段階で評価されます。ぜひ、最高評価のA評価を目指しましょう。

もし、不備が見つかると改善指導を受け、改善報告を行うことになります。

この改善報告を適切に行わない場合は、運輸支局による監査が実施されることになりますのでご注意ください。

おわりに

許可書受領から運輸開始までのざっくりとした手続きの流れは以上となります。

なお、許可日から運輸開始までは、1年以内に行う必要がありますのでご注意ください。

運輸開始までの手続の詳細や、それぞれの手続きに必要な添付書類は、許可書受領時に輸送部門から渡される書類に記載されていますのでそちらを確認するか、許可後に運輸支局で実施される指導講習会で確認しましょう。

トラック協会に入会できる時期は、入会を希望する都道府県毎に取扱いが異なります

例えば、新規許可事業者さんが、神奈川県トラック協会へ入会申込を行う際には、入会申込書の他に、許可書の写し、許可申請書、登記簿謄本、運行・整備管理者選任等届出書の写しを提出する必要があるため、運送業許可を取得しただけでは入会を進めることはできず、神奈川運輸支局へ運行・整備管理者の選任届出を提出した後に手続きを進めることになります。

他の都道府県では入会申込ができる時期が神奈川県とは異なりますので、トラック協会入会を希望する場合は、直接、トラック協会の事務局へ問い合わせましょう。

また、行政書士法人シグマでは、許可書受領後の運輸開始前報告手続きから運輸開始までの手続きの代行を承っています

運送業許可申請は自社で行われたり、他の行政書士事務所で行われた場合であっても、運輸開始手続きまでの手続きを自社で行うのがご不安な事業者様は、一度ご相談ください。

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