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運送業許可申請の写真、どう撮れば良い? 営業所・車庫等の撮影ポイントを専門家が解説

今回も、運送業の許認可申請を専門とする行政書士の阪本浩毅さんにお話を伺います。2019年11月の貨物自動車運送事業法改正により、運送業許可申請の際に、営業所や車庫などの写真を提出することが求められるようになりました。今回は、なぜ写真が必要なのか、どのような写真を撮れば運輸局の審査がスムーズに進むのか、具体的な撮影のポイントや注意点について、東京運輸支局での実務経験を交えながら詳しく解説していただきます。

なぜ写真提出が必要に?運輸局がチェックするポイント

── 阪本さん、本日もよろしくお願いいたします。最近の運送業許可申請では、施設の写真提出が必須になったと聞きました。これはなぜなのでしょうか?

阪本: よろしくお願いします。はい、2019年11月の法改正以降、営業所、休憩睡眠施設、そして自動車車庫の写真を撮影して提出することが義務付けられました。運輸局側の意図としては、提出された写真を通じて、申請書類に記載された施設が実際に存在し(実在性)、かつ運送事業を行うための要件を満たしているかを目視で確認することにあります。単なる図面上の計画ではなく、現実の準備状況を確認する、という意味合いが強いですね。

── なるほど、実在性と適合性を確認するためなのですね。具体的に、それぞれの施設でどのような点が写真でチェックされているのでしょうか?

阪本: 運輸局が写真を通じて確認している主なポイントは、施設ごとに以下のようになります。
まず「営業所」については、運送業の運営に必要な事務機器や備品が、実際に設置され、業務を行える状態になっているか。
次に「休憩睡眠施設」は、ドライバーさんが有効に休息や仮眠をとれるように、必要な設備が整えられているか。
そして「自動車車庫」は、申請された区画が明確に区分され、他の用途に使われることなく、車両を確実に駐車できる状態になっているか、といった点です。

【施設別】具体的な写真撮影のポイント

── では、実際に写真を撮る際には、どのような点に気をつければ良いでしょうか? スマートフォンで撮っても大丈夫ですか?

阪本: はい、デジタルカメラでもスマートフォンのカメラでも構いません。ただし、やみくもに撮影しても、運輸局が求めている情報が伝わらなければ意味がありません。ポイントを押さえて撮影することが重要です。

── 具体的に、施設ごとに撮影のコツを教えていただけますか?

阪本: まず「営業所」ですが、「外観」として建物全体の写真と、出入口付近の写真を撮ります。そして「室内」では、事務机や椅子はもちろん、電話、パソコン、プリンターやコピー機、そして重要なのが「アルコール検知器」など、業務に必要な備品が設置されていることが分かるように撮影します。これらが揃っていることで、運行管理などの業務が遂行できると判断されます。

── 次に「休憩睡眠施設」はどうでしょうか?

阪本: これも同様に「外観」として建物全体と出入口付近。そして「室内」では、ドライバーさんがしっかり休息できることがわかるように、テーブルやソファなどの休憩用設備、仮眠が必要な場合は布団やベッドなどの寝具が確認できるように撮影します。「テレビは必要ですか?」というご相談を頂くことはありますが、許可申請の観点からはテレビは無くても大丈夫です。

── では、「自動車車庫」の撮影ポイントは?

阪本: 「出入口付近」の写真と、車庫として申請する「スペース全体」が確認できる写真を撮影します。車庫全体を写すことで、広さや形状、屋根有無、そして接道の状況を確認します。

これで安心!写真審査をスムーズにする追加テクニック

── 写真を撮る上で、他に審査をスムーズに進めるためのコツはありますか?

阪本: いくつかありますね。まず、営業所や休憩睡眠施設の「出入口付近」に、申請する会社の「社名表示(看板や表札など)」があると、その場所を申請者が確実に使用していることが分かりやすくなり、審査が円滑に進む傾向があります。もし看板などがなければ、社名が表示されている郵便ポストなどを代わりに撮影すると良いでしょう。

── 車庫について、特に注意すべき点はありますか?

阪本: 車庫の場合は、申請したスペースが、きちんと「車庫として利用できる状態」にあることを示す必要があります。例えば、申請区画内にプレハブ小屋や資材、廃棄物などが置かれているような写真はNGです。車両を駐車するのに支障がない、整理された状態を撮影してください。また、土地の一部だけを借りている場合や、月極駐車場を利用する場合は、どこからどこまでが申請範囲なのかを明確に示すことが重要です。

── 範囲を明確に示すには、どうすれば良いですか?

阪本: 撮影する際に、カラーコーンやトラロープなどで申請区画を囲ってから撮影するのが一番分かりやすいです。それが難しい場合は、撮影した写真に後から赤ペンなどで申請区画を囲むように書き加えても大丈夫です。これにより、運輸局側が正確な範囲を把握しやすくなります。

さらに良い写真を撮るためのヒント

── 施設が広かったり、柱などで死角があったりして、一枚の写真に収まらない場合はどうしましょう?

阪本: その場合は、無理に一枚に収めようとせず、複数枚の写真を提出して全く問題ありません。むしろ、死角ができないように、様々な角度から撮影することがポイントです。例えば、部屋の四隅から撮影するなど、全体像が把握できるように工夫しましょう。事業者さんが撮影すると撮影範囲が狭い写真になりがちです。広角で撮影していただけると、運輸局側が求める写真になるでしょう。

── 写真がたくさんになると、どの場所の写真か分からなくなりそうです。

阪本: そうですよね。私も目が回りそうなときがあります。そういう場合は、「平面図」に写真の撮影位置と番号を書き込みます。そして、提出する各写真の余白などに、対応する番号を記入しておくと、審査担当者にも非常に分かりやすくなります。

── 写真の写り具合なども重要ですか?

阪本: はい、基本的なことですが、ピントが合っていない、手ブレしているといった不鮮明な写真は避けるべきです。審査担当者の心証も良くないでしょうし、そもそも何が写っているか確認できません。提出した写真は申請書の控えと共に保管される記録資料にもなりますので、できるだけ鮮明な写真を準備しましょう。そのためにも、営業所や車庫の外観などを撮影する際は、暗い時間帯を避け、できるだけ日中の明るい時間帯、可能であれば晴れた日に撮影することをお勧めします。

提出先の指示を確認し、不明な点は専門家へ

── なるほど、写真一つにも色々な配慮が必要なのですね。

阪本: そうですね。今回お話しした内容は、主に東京運輸支局での経験に基づいたものですが、写真の具体的な要件や提出方法については、管轄の運輸局によって若干運用が異なる場合もあります。ですから、申請する際は、必ず提出先の運輸局の指示や手引きを確認し、もし指示があればそれに従ってください。

── 最後に、事業者の方へメッセージをお願いします。

阪本: 写真撮影は、申請準備の中でも比較的後回しにされがちですが、不備があると申請の受理が遅れたり、補正指示を受けたりする原因になります。たかが写真、と思わずに、申請書類の一部として、しっかりと準備することが大切です。もし、どのような写真を撮れば良いか分からない、あるいは他の手続きも含めて専門家に任せたい、ということであれば、もちろん私ども行政書士法人シグマでも、写真撮影を含めた申請手続き全体のサポートを行っておりますので、お気軽にご相談いただければと思います。

── ポイントを押さえて、しっかり準備することが大切ですね。本日もありがとうございました。

阪本: こちらこそ、ありがとうございました。

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