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トラック運送業の本人申請が危ない理由|法令試験合格後の落とし穴とは?

一般貨物自動車運送事業の許可申請を検討されている方の多くは、

「書類さえ受理されれば、あとは法令試験に受かるだけ」

「運輸局が受け取ったのだから、要件は満たしているはずだ」

と考えがちです。

しかし、もしそのようにお考えなら、非常に危険です。

関東運輸局から届く「法令試験実施通知書」には、事務的な文面の裏に、数多くの経営者が直面してきた「申請取り下げ」の過酷な現実が隠されています

残念なことに、法令試験に合格した後に「許可基準を満たしていない」ことが発覚し、自ら申請を下げて白紙に戻さざるを得ないケースが後を絶たないのです

なぜ、そのような悲劇が起きるのか。本人申請で見落としがちな審査の核心を解説します。

役員適格性の厳格な審査:過去の経歴が問われる

役員の適格性審査は、提出された書類の表面的な情報だけでは終わりません。

他社での処分歴の確認

申請する会社自体に問題がなくても、役員が「他社の役員等在籍時」に貨物自動車運送事業法等の違反による処分を受けていた場合、それが欠格事由に該当することがあります

直近の経歴と処分歴

申請日前6ヶ月(悪質な場合は1年)以内、あるいは申請日以降に処分を受けていないかという点は、本人が無自覚な過去の経歴まで遡って審査され、取り下げの原因となります

専従役員としての実態

法令試験を受験できるのは、許可後に申請する事業に専従する役員のうち1名です 。他社の役員を兼務している場合、「本当にこの会社に専従できるのか」という実態が厳しく問われます

営業所・休憩施設は「借りればOK」ではない

不動産業者の言葉や現状の利用実態だけで判断するのが、最も危険な分野です。

関係法令との整合性

営業所や休憩施設が、農地法、都市計画法、建築基準法などの関係法令に抵触していないか、管轄の自治体等へ事前に確認し、適法であることを証明しなければなりません

施設の実態と基準

単にスペースを確保するだけでなく、これらの基準をクリアしているかどうかが、試験合格後の本格的な審査で厳格にチェックされます

車庫と道路の物理的・法的制約

車庫の確保には、図面上の計算だけでは測れない厳格なルールがあります。

車両制限令の壁

車庫の前の道路が、計画しているトラックのサイズで通行可能であることを、道路管理者が発行する幅員証明書等で確認し 、車両制限令に抵触していないことを証明できなければなりません

車両収容の基準

単にトラックを置ける面積があるだけでなく 、車両同士の間隔を空けて収容できるかなど、関係法令に抵触しない適切な施設であることが審査の対象となります。

資金維持の「2回目チェック」という大きな壁

本人申請で最も多い脱落理由の一つが、この資金維持のルールです。

自己資金の常時確保

必要な自己資金は、申請日にあれば良いのではありません 。申請日から許可が出るまでの間、常時確保されている必要があります

補正による必要額の変動

人件費が最低賃金を下回っていたり 、保険料を事業用ではなく自家用で計上していたりするなどのミス が発覚し、必要資金の合計額が当初の計画より跳ね上がることがあります。

合格後の最終確認

法令試験合格後、運輸局が指定する日に2回目の残高証明書の提出を求められます 。ここで1円でも不足すれば、その瞬間に申請を取り下げるしかなくなります。

失敗すれば「数ヶ月の時間」と「試験合格」が水の泡に

法令試験には受験回数の制限(申請に対して2回まで)があり、自己都合の欠席や不合格は次回のチャンスを大きく遅らせます 。最終的に取り下げになれば、合格実績もすべて消滅し、またゼロからのスタートとなります

厳格化される「書類作成者」の確認

2026年1月の改正行政書士法施行により、非行政書士による書類作成代行(非行政書士行為)への監視が強化されました。

今後、運輸支局の窓口では「書類を実際に作成したのは誰か」を厳格に確認するケースが増えることが想定されます。

無資格者が報酬を得て書類作成を行うことは法律違反であり、そのような不透明な方法で進められた申請は、事業者としてのコンプライアンス姿勢を厳しく問われることになります。

確実に、最短で緑ナンバーを取得し、事業をスタートさせたいのであれば、許可要件の細部まで熟知した専門家の知見を活用し、万全の態勢で審査に臨むことをお勧めいたします。

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